私は、下の子供が小学3年生になった時に小学校の給食のパートで働く事にしました。
家族に負担にならない様に子供の休みの時には一緒に居てあげたい、そんな思いからこのお仕事を始めました。
食べる事も作る事も大好きでしたので16年間仕事を続ける事が出来ました。
この様な経験から毎日、食と向き合う生活の中で、大事にしたいと思う事を皆様にお伝え出来たらと思います。
直心会では、大切な教えを何時も学ばせて頂いておりますが、とりわけ正食は私達女性が一番心を尽くして実践しなくてはならない大切なご用ではないかと思います。
毎月行う、瑞月舎感謝祭の祝詞の一節に、「家の内豊に平和(おだい)におさまるも妻の心の梶一つなる又ふるいたて雄々しくやさしく日の本の女性(おみな)の生くべきときは今なり」とのお示しがあります。
私は感謝祭でこの祝詞を奏上したり、また聞かせて頂いたりしておりますと、直心会員として実践しなくてはならない大切なお示しだなと思いながら、神様に向かわせて頂いております。正食に対してもこのお示しを腹に据えて取り組まさせてもらいたいという思いです。
大本の正食は去年正食手帖も発刊されて、老若男女を問わず、沢山の方々が意識されて実践されていると思います。
大切な事は正食手帖に集約されていますので私も何度も読み返して活用しています。
日本人が大切にしてきた日本の風土にあった食べ物味噌や梅干しの作り方も載っていますので是非、ご自身やお友達と一緒に手作りしてみて下さい。

自分が手掛けた味噌や梅干しは自身が持っている常在菌でそれぞれ味わいも違いますから、味噌作りなどは小さな子供にも手伝ってもらい、子供が持つ元気な常在菌で手作りする事で美味しい元気が出る力のあるお味噌が出来ると思います。是非、手作りしてみて下さい。

現在日本におきましては、身近な所にスーパーがあり、コンビニがあり食べる物は溢れていますが、それらがすべて安心、安全な食品であるか?
という事をみますとそうでは無い物が沢山あり、お腹はいっぱいにはなるものの、本当に体に良い物を頂いた、心も満たされたとはならないのではないでしょうか?
手作りに勝るものは無いな
手作りは有り難い物だな
食べる人の事を思いやり作る食事は素晴らしいなと
実感されている方は多いと思います。
しかし、子育て中の仕事をされているお母さんや、忙しく生活されている方は、全て手作りで豊かな食卓をとは、なかなか難しいですね。私も子育て中は毎日の食事に追われる日々でした。
そんな時でも何か一品、子供の為に家族の為に、又自分の為に、手作りの品を食卓に並べる努力は必要だと思います。忙しい朝はお味噌汁だけでも良いと思います。
昆布や鰹、いりこ等で出汁を取り、旬のお野菜や芋類キノコやワカメなどで作ったお味噌汁は栄養価もあり、心がほっこりしますね。
お仕事、家事で忙しいけれども、家族の健康を願い、手作りされた一品はその気持ちがお料理に籠りますから、いただく方の心の安定につながると思います。
自分が子供の頃を思います時、忙しい母が何時も台所に立ちご飯を作ってくれていた事が子供の時には、何とも思わず当たり前に頂いていましたが、自分が台所に立つ身となってからは本当に有難く、懐かしく思い返されます。
母の煮炊きした一品は子供にとって忘れられない味わいでしょう。
そして大人になった時に思い返し、自分も何か家族や大切な人の為に一品作ってみましょうと思う様になると思います。
小さい時に培った味覚は大人になっても記憶に残っているものです。
また、食物で、心と体は作られていくので、健康面は勿論のこと、性格や精神面にも深く関わる事なので、食材選びや、調理方法、それと作り手の思いにも心配りが大切となります。同じ食材、同じ調理方法であっても作り手の気持ち次第で全く違った物になると思います。
家族の食事作りには母の思い、また、父の思いでも良いですが(愛情)を込める事が大切だと思います。
風邪を引いた時等、直ぐに病院、お薬といった時代ですが、先ず体を温めて、消化の良いお粥を風邪が直ります様にと祈りを込めて炊き、食べさせてあげてみて下さい。梅干しやお番茶も一緒に頂くと良いと思います。
冷えから来る風邪は足が冷たくなっていますので足湯も効き目があります。これらは昔から行われている民間療法です。科学薬品を使うわけでは無いので効き目も穏やかですが、体には優しいのでためしてみて下さい。
私も風邪のひきはじめに足湯をした事がありますが足を温めると気持ちが良いです。
それと、七草の日に大本でも七草粥を頂きますね。これも体にはとても良い物です。お正月の暴飲暴食で疲れた胃腸を休ませ、不足しがちなビタミンやミネラルを補給する日本人の知恵の詰まった一品です。
私は食べられる草花を探索するのが好きなのですが、皆さんは七草粥を手作りされた事はありますか?また、食材となる七草を探してみたことはありますか?
せり
なずな
ごぎょう
はこべら
ほとけのざ
すずな
すずしろ
が春の七草ですね。
私が住んでいる所は割と田舎で程よく自然が残っています。せりは見かけませんが、なずな、ごぎょう、はこべら、は庭にも生えています。ほとけのざはこれかしら?と思う物は生えています。すずな、すずしろは現在のカブと大根ですので畑に種をまくと手に入ります。
先ずセリは水田等、湿った場所に自生している様ですが、宮城県ではお馴染みのお野菜のようです。数少ない日本原産の在来種の野菜で、調べてみますと1000年も昔から栽培されているようです。
高い抗酸化作用を持つβカロチンやビタミンC、鉄分、葉酸、カリウムなどが豊富です。
なずなは別名ペンペン草と呼ばれています。昔から若い葉はお味噌汁の具やおひたしとして食用したり、民間療法では、止血、利尿、高血圧にも効果があるそうです。
ごぎょうは別名母子草と呼ばれています。よもぎの様に白っぽい綿毛でおおわれているのが特徴です。黄色い小花がかわいらしいですね。草餅にしたりまた、民間薬として痰や咳止め、喉の炎症に効果があるそうです。
はこべらはハコベの事です。畑や庭先でも良く見かけます。柔らかい葉なので私は生でも食べます。昔は歯磨きに使われていたようです。
ほとけのざは一般的なほとけのざはこちらですが、春の七草のほとけのざは、コオニタビラコという植物で、黄色い花をつけます。田んぼに平たく広がる(田平子)ところからこの名がついた様です。
ほろ苦さとタンポポのような風味を楽しめます。
すずなは現代でいうカブです。大本の神撰物では甘菜とされています。胃腸を整える効果があると言われています。
すずしろは現代で言う大根です。大本の神撰物では辛菜とされています。整腸作用や風邪予防にも効果があります。

皆さんも自分の住んでいる所にはこんな草花が生えているのだなと、知っておくと新しい発見があるかもしれません。私の住まいの身近には、ノビルが群生しています。茹でてぐるぐる巻いて酢味噌を付けて食べたり韓国の知り合いはノビルのキムチを作ってくださった事があります。とても美味しいです。
身近な所に食用出来る植物を探しておくことも今後は転ばぬ先の杖となるかもしれません。自分でお野菜を有機栽培出来る方は恵まれていて良いですが、身近な野山に自然に自生する先人の方々が食してきたであろう物を知っておく事も今後は必要になるかもしれませんね。子供達にも伝えておきたい大切な事だと思います。
私は偶然、NHKで放送された、江戸時代の米沢藩主、上杉鷹山の番組をみました。鷹山が人口減少と財政破綻に陥った藩の危機を救った先進的な政策の数々を取り上げたものでした。その中で鷹山が編纂させた、かてもの、という本があるのですが、かてものとは食糧不足の時に主食の穀物と一緒に炊き合わせたり、代用食として食べたりする「糧(かて)」となる食物のことです。飢饉に備えて領民に本を配布し、大飢饉でも、餓死者を極力出さなかった様です。
現代に置きましても飢饉は何時来るかわかりません。

大本はお土の匂いのする教団で、教主様もお野菜作りを種蒔きからなされておられ、私達にお示し下さっていますので、実践されている方は多いと思います。
我が家も有り難い事に畑を借りて主人が少し野菜を育ててくれています。私もお花が好きで、狭いですが庭先にいろいろ植えておりますが、お野菜も植えてみましょうと思い、リビングから毎日目の届く所に、玉ねぎ、パセリ、ニラ、ねぎ、イチゴを植えています。
自分で育てた野菜は愛情がわきますね。孫にも収穫させて、食べ物の大切さを教えていきたいと思います。
1つ大本の友逹からこんな怖い話しを聞きました。その方はパセリを庭先で育てておられたのですが
、蝶々に見つかってしまい卵を産み付けられて幼虫に葉を全部食べられてしまったそうです。
幼虫の食べるパセリが無くなってしまい、その方はスーパーでパセリを買い求め、幼虫に良かれと思い与えた所、幼虫は真っ黒になって、死んでしまったそうです。農薬が沢山かかったパセリだったのでしょう。

私はこの話を聞いてからパセリは自分で育てています。しかしこれは、パセリだけではなくいろんなお野菜にも共通する事です。
農薬は見た目には着いているかどうかわかりませんから本当に怖い事だなと思いました。
また、近頃の野菜は化学肥料で大きくなった物も多くあります。見た目の美しさだけを求めるのではなく、中身にも気に掛ける必要があります。
今、世間では全てが短縮されていて、楽に食事を楽に健康を求める傾向にあります。しかし、実際は一つずつ本物を見極める事が大切なのではないでしょうか。
安心していただける食事は食材選びから、作り手が真心を込める事ではないでしょうか。また、頂く側もそれを感謝して頂く事が大切だと思います。病院で薬をもらうだけではなく、食事から見直していくことも忘れてはいけません。教えに沿った正食を実勢してまいりましょう。
大切な事は体主霊従ではなく、霊主体従なのです。
私達一人一人の心の梶ひとつなのです。
どんな日も私達はふるいたって雄々しくやさしい心で、一緒に正食に取り組んでまいりましょう。
以上で私の講座を終えさせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。

三重主会 菊池智恵子
※本原稿は、妻が東光苑オンライン講座で講演する予定で準備していたもので、正食について皆様にお伝えしたい内容をまとめております。妻はR8年6月11日に乳癌により昇天し、講演を行うことは叶いませんでしたが、原稿をお読みいただき、正食の大切さや食への向き合い方について、何か感じ取っていただけましたら幸いに存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。 三重主会 菊池祐己
